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即興とオムライス

今日は東京フィルムセンタースクールオブアーツ
という、今年出来たばかりの映画学校で、
体験入学生にむけた映像演技のコーチの日だった。

まず、監督がシチュエーションを設定して在校生に
即興で演技をしてもらう。

今年の夏から何度か指導をさせてもらっている。
即興演技の意図や
演技をするという事に一年目の俳優科の在校生が戸惑っていた事は確かだったけど
今日は、新しい一面が発見できた。

はじめのシチュエーションから、話の設定をドンドン変化させていき
配役も交代しながら
その時々に表出してくる役者の言葉や動きから
監督や私がヒントを得て、さらにシチュエーションを広げる為のアドバイスをする。
それを聞いた生徒達が、自分の感性で更に世界をひろげる。

この授業は、シーンエクササイズではないので
あまり実験的な事が出来なかったのだが
今日はさまざまな条件が整って
シーンとしても面白く、映像的にもすばらしいショットが出来上がったりして
非常に有意義だったような気がする。

制約と自由、映像演技の場合は特にこの二つを上手くリンクさせて
行く事が大事だと思う。

そのために俳優は、最大限自由になれる肉体と感性を養っておくことが
絶対条件なのだと思う。

制約にはまるのは、ほとんど訓練というかなれれば出来るはず。

自由になる、と言うことと、何もしない、ということと、何も出来ない、と言うことが
混同されているな、とたまに感じるときがある。

このあたりの整理を、しっかりと導くことが
指導者の第一の仕事なのではないだろうか。

夜は友人と日本橋「たいめいけん」でタンポポオムライスを食べる。
ここは「コールスロー」「ボルシチ」50円
という創業当時の値段で上記2品を提供していて
その他のメニューも美味しい。

他に表現が見つからない。
美味しい。ほんとうに美味しい。

お店の人の心意気もとても素敵で
ありがたい気持ちになってしまう。
レバーフライ(ご飯つき)がお勧め。

このお店は日本の文化だとすら思えてしまう。
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by chutaro116 | 2004-11-29 04:01 | 芝居

内気同士の恋愛

映画
「秘書 セクレタリー」を観た。

去年の夏に公開されて
私の友達の間では、かなりの評判だった作品。

ようやくビデオで見る事が出来た。

ハッキリ言って出色!!

監督の才能も、脚本も凄い。

これはビデオのパッケージが
「SM」とか「美人秘書」とかエロチックな部分を売りにしてしまってて
女子が借り難いかも知れないけど
女性に観てほしい映画ナンバーワン!

ジェームズ・スペイダーの内気っぷりが本当にすごい。
この人は「僕の美しい人だから」とか「セックスと嘘とビデオテープ」で主演していて
普通じゃない恋愛を演じたら世界1男優。かもしれない。

話は、自傷癖があり精神治療をしていた主人公の女性と
彼女が始めて勤務する弁護士事務所の弁護士の
ラブストーリー。

どのような要素が盛りこまれて居ようと
貫かれているのは
お互いに自分と同じ、感受性のアンテナを嗅ぎ付けたもの同士が
二人とも愛情や好意の表現方法が分からずに
ちょっと変わった「LOVE」の表現をして行く。

でもちょっと考えても
私たちだって
絵に描いたような恋愛はしてないはず。

個々に個性があるように
愛情表現も千差万別で
どこから見ても「ノーマル」な恋なんて実は無いんじゃないか?とすら思えてしまう。

そういう意味で、この映画は一見おかしな事を描いているようで
実はとても普遍的な「感情の流れ」を描ききっている。

そして、最終的に
自分の気持ちを口に出すことが出来なかった主人公が
「I LOVE YOU」と3回ぐらい 弁護士に大声で打ち明ける。
(あ、ねたバラシしてしまった)

内気同士の恋の決壊を彼女が破ったのだ。

それからは、信じられないような感動が待っている。

淀川長治さんがご存命なら
「いいですねぇ。ホントにホントに、名作ですねぇ。」って
推薦してくださるはず。

あ~淀川先生に観ていただきたい!
そんな1本です。
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by chutaro116 | 2004-11-28 02:56 | 映画・ドラマ

内臓の感性

この秋に
体調が、今までに無いくらいおかしくなり
先週漢方治療の病院で診断してもらったところ
血液が滞っている、つまりドロドロです。と。
診断された。

血がそのような状態だと
肌も唇もがさがさになってしまうみたい。

どうりで唇が大変な事になっていた。
メンタムリップを何本塗っても
まるで良くならない。

漢方を飲み始めて今日で一週間

唇が治っている。

そしてお腹がずっとゆるい状態だったのだけど
これは、解毒作用だったらしい。

病院にいくまでは、過食かも。
と思うほどの食欲だったのが
今は胃腸がすぐに限界を感じて、
「もういりませんから」と
語りかけてくるような感じがする。

食べ物も、魚と野菜で十分になってきた。
コロッケの買い食いとかしなくなった。(幾つだよ)
身体はすこぶる調子がいい。

内臓にも感受性があって
排泄されるべきものが
何かの調子で体内にとどまっていると
鈍感にならしい。

それが肥満や成人病への扉なのだろう。
私も足を踏み入れていたのだ。

胃腸だけじゃなくて
全部の内臓の感受性が
豊かになる、ということが
健康の条件なんじゃないかな・・。
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by chutaro116 | 2004-11-25 01:32 | からだ

免許更新で涙

11月24日

免許の更新に行った。(初回更新)

府中の試験場は緑に囲まれていて
意外と清々しかった。

更新手続きに来る人たちは、みな秋生まれの仲間?
その為か、今日は紅葉も、空も絵に描いたような美しい秋だった。

試験場の職員の方たちは
異次元のテンションで働いている。

あのテンションで働く人は
日常の中でもあまり出会わない。

毎日異体験をしにくる人たちを何千人と
捌いていくにはあの位のエネルギーが必要なんだな、と思った。
事務的という表現からは程遠い。むしろ人間くさい。
そして誰もが、とてもまじめなような気がした。(勿論ふざけて勤まらない)
自分を繕う事なんかやっていられないのだ。というむき出しの雰囲気が
独特の緊張感を生み出している感じだ。

私は、3年前に免許を取得して以来、一度も車は運転して居ない。

自転車はスピード狂だけど
車のスピードについていけない。
教習所に通っていたころは、環八を60キロで走るのが怖くて
病気になってしまったこともある。

でも、いつか広大な北海道や、アメリカを大好きな人を乗せて、ぶっ飛ばしたい。
その夢のために取得した免許・・・。


更新時には、必ず講習を受けなくてはいけない。

その講習で上映される映画のうわさは聞いた事があった。

事故現場の生々しい映像が流れるんだよ。とか。

ところが時代が変わったのか
今日の映像は事故でご家族を失ったご遺族の方たちのドキュメンタリーだったのだ。

ご遺族の、けっして癒えることのない心と悲しみを
映し出したドキュメンタリーは、とても辛かった。
運転は絶対に人に迷惑をかけてはいけないのだ。
と言う事を改めて教えてくれた。

運転していないので
事故も罰金も他人事のような気がしていたのだが
成熟した頭脳でないと
運転は出来ない、と思ってしまった。

更新にわざわざ行く。
ということが決して無意味ではない様な気がした。

特に宗教を持たない国の民には
こうして、他者の命について
責任についてかんがえてみたまえ!という
怖い時間を設けるのは
意味があることなのかも知れない。

新しい免許証を手に、
都内で車を運転をする日は、もう私には来ない様な
複雑な気持ちになった。
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by chutaro116 | 2004-11-25 00:15

喪服の似合うエレクトラ

新国立劇場
中劇場の「喪服の似合うエレクトラ」を観た。

大竹しのぶさんってすごい。
前から凄いと思っていたけど
役との距離感が絶妙。

三田和代さんといい、上手い役者ばかりで
演出も見事だった。

話は、本当に、すごく、重くて長いのだけど
観ていて疲れるとか、そう言うレベルの芝居ではなかった。

空間に嘘が無かったし
俳優たちの間にも
真実しか存在して居なかった、と思う。

熟成したボルシチのような芝居でした。
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by chutaro116 | 2004-11-24 23:41 | 芝居

新陳代謝する。

11月22日

今月ももう後半。

早い!

今日のお昼ご飯をアイ文庫アトリエでごちそうになる。
自家製スモークサーモンと自家製ピーマン
のクリームスパゲティと水菜とベーコン&ゆで卵のサラダ
ベーコンのスープ。どれも美味!
(素材はすべて水城さんのご実家、福井県産)
ぷは~~~~!
栄養満点のお昼でした!!!おいしかった~~~!

今日からボチボチ
次の企画の稽古をはじめた
アイ文庫の水城さんと私のコンビネーションライブとでもいうか
今までは、朗読が中心だったけど
次回は私の一人芝居と水城さんのピアノのセッションで
題材はまだ内緒。
まず身体表現の基本になる部分を少し創った。
水城さんは名古屋で前衛劇に関わっていたこともあり
ご自身も前衛思考。
私は、前衛とは程遠い場所にいたので
理解して自分の身するには少し時間が必要かもしれないのだけど
目的地は同じ気がするので
最終的にはいいものに出来る確信がある。
その場に生きる、ということに忠実で居たいとおもう。

先月制作助手をしていた芝居の初日はちょうど一月前だった。

身体と気持ちの入れ替えもようやく済んだ感じだ。

生き物は常に代謝を繰り返す。

表現者としての生き物の私も
ひとつの作品を終えたら
細胞を入れ替えて
また新しい細胞分裂を始めて行くのだ。

栄養にしたものは、身体や記憶に大切に保存して。

この細胞の入れ替えの作業のスピードには個体差があるように思えるし
また、どんな細胞だったか、という事も入れ替え作業の時間に比例する。

私は短くて2分、2時間、2日、2週間、4週間、
中位で1年
長くて2年、4年、8年、10年というのもあった。

人生そうそう長くはないのだから
出来るだけこの入れ替え作業は
手短にしていきたいと思う。

ま、そう簡単には行かないから面白いんだけど。

蛇足
猫の忠太郎は、新しい自転車置き場(元植え込み)は
もう縄張りにしたようだ。(参照:11月17日付日記)
ごろごろ嬉しそうに寝転がっている。

すごい記憶の代謝力!
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by chutaro116 | 2004-11-23 02:05 | 芝居

塩分

料理の味付けの決め手は塩分。

当たり前のコトだけど
きわめて明快な料理本を読んだ。

「塩がわかると料理がわかる」元谷惠都子著 文化出版局

おいしいと感じる食材と塩分の比率は1%。
少し濃い目の味付けだと3%

それがおいしいと感じる%で
これはほとんど決まりらしい。

目からうろこである。

料理はわりとすきなのだけど
味付けの根拠が分からなかった。

私はおいしいと思っても
人が食べたらどう感じるかいつも疑問だった。

母はすごいなあと思いつつ
「このぐらい」と言われてもなぁ。
と、理屈さえ分かれば・・。

と思っていたけど
これでかなり解消出来たかも。

うちの小さな台所には
塩分比率表が張り出されている。
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by chutaro116 | 2004-11-22 00:07

リフレッシュ

半年振りぐらいに
バレエのクラスに行った。

先生もとても素敵な方。

まだ数回しか行って居ないけど
身体と心がスキッとする。

気分転換に色々試みたけど
身体を動かして
沢山呼吸をする事が
一番だと感じた。

特にここは、表現者向けに
声と身体の仕組みについて
かなり解剖学的に分析して教えてくれるので
頭も使いつつ
ステップも踏みつつ
ストレッチで自分の身体をしっかり認識しつつ、
充実した時間を過ごせる。
大切なのは丹田。
洋の東西を問わず一番大事だし
実際丹田に意識が行かないと
すぐフラフラしてしまう。

柔らかさと、芯をしっかりと保つ事が
大事なのだと思う。
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by chutaro116 | 2004-11-21 01:42 | からだ

最近の2本

11月19日

「笑いの大学」を観た

三谷幸喜脚本・星護監督

友人が薦めてくれたのだけど
いや、本当に面白かったです。

映画が進化してると思った。

映画の技術の進化はすでに進んでいて進みすぎている感がなくもないけど
この映画は、演出の感性が進化しているのだ。

当然ながら俳優の芝居も進化していたと思う。

役所広司さんという俳優も進化を続ける人なのだと思う。

そういえば「シャルウイダンス」だって「うなぎ」だって「赤い橋のしたのぬるい水」だって
(他多数)面白かった映画にはたいていこの人が出ていた。

でもキャラクターがかぶらないのだ。

まんねりに見えないところが凄い。

監督・脚本・俳優の感性がスパイラル状態で
上昇して進化して行く作品が、本当に凄いんだよなあ。

お勧め☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡


ビデオで
「ここに幸あり」と言う作品を観た

監督:けんもち聡

インディーズとして作られた作品のようだったけど
地味で味わいの深い作品。

山田洋二監督の「監督の高い感性に・・・」と言う推薦コピーにひかれたのですが
やはりどこか日本の遠くの土地の情緒がふんだんに盛り込まれていて
じんわりと優しい気持ちになりました。

主人公は売れない俳優。
劇団でも若手に負けてていて
自分の殻を破れない。
教える事は上手で、あるときマネージャーの紹介で
福岡の姫島と言う島に芸大を受験する俳優志望の高校生に
演技を教えろと言われて、交通費を浮かせるために
スクーターで福岡まで行く。

島で、青年や地元の人に触れていくうちに
自分自身を取り戻す。

という良くありそうなお話だけど
島の情景が非常に良く描きこまれていて
徐々に観ているほうにまで、ゆっくりと島のペースが浸透してくる。

彼が島の青年に教えるのは、
まことしやかにおかしな演技のトレーニングで
私は「そこからかえなさいよ」って余計な事を言いたくなったけど
監督も、多分日本の多くの小劇場俳優に対して感じているのだろう。

おかしなトレーニングを一生懸命教えて
青年もはじめは何も出来ないけど
一生懸命に取り組み始める。

ちょっと、ジンワリと泣ける話です。

話に出てくるエピソードも
ひねりがきいてます。

ビデオ屋の準新作コーナーで発見。

お勧め☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡
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by chutaro116 | 2004-11-19 22:01 | 映画・ドラマ

喪失感

11月17日

今朝、自分の左側から激しい爆撃音というか、大きなボーリングでゴンゴンたたかれているような衝撃で目覚めた。

いったいなんだ。
何かの差し押さえ?
アパート全部差し押さえられるほどわたしは
多額の滞納していないはず・・・。

明け方までビデオを観ていたので
隣人が激しているのか。
いや、隣人は穏やかな性格の青年だった・・。

ゴン!ゴン!という振動は一向に収まらない。

でもその向こうで
「おはようございます」と言うさわやかな声も聞こえてる。

いったい、いったい、何がおきたんだろう。

猫(忠太郎)は耳をたたんで布団にもぐりこんで平たくなっている。
聴覚抜群の猫には苦行としか思えないだろう。可哀想に。

すごいぼたけた一重瞼で
パジャマのまま私は外の様子を窺いに行った。

2階の廊下の端から音のする下に目をやったら
なんと夕べまであった階段脇の
レンガで出来ている(うちのアパートは全体がレンガ貼り)
植え込みが屈強な短軀の男性の手によって
ハンマーで殴り壊されているのだ。

え~~~!
その横でにこやかに私にも挨拶するおじさんの仲間の青年(堺雅人風)
「お騒がせしてます。もうすぐ終わりますから~」

その後2時間もしないうちに
植え込みの場所はきれいに何も無く
新しいコンクリートが敷かれ
工事現場の赤いコーンとガムテープ(ワイルドだ)で囲われた。

何度も「寂しいですね~」としつこく見学にくる私に
先ほどの青年と、タバコをくゆらせた短軀のおじさんが
「明日くらいまでは踏まないでくださいね」と告げた。

「踏むわけ無いじゃない。でも猫は踏んじゃうかもね。足跡つけるよ。」
と心で毒づきつつ
「朝からお疲れ様でした!」と、つい愛想良くいってしまった。

おじさんはチキチキマシンにでてくる人みたいだった。

植え込みの場所は自転車やバイクを置く場所になるらしい。
そういえばずっとバイクが道路にはみ出ていたし
自転車も住人の数と同じくらいで、10世帯あるわけだから
置き場も手狭になっていた。

しかしこの植え込みは
うちの猫の非常に狭い縄張り(アパートの廊下と階段と植え込みと電柱だけ)
の一つで、
彼にとっては外敵(たとえば散歩中の犬とか?)から身を隠せる安心の場であり、
彼が贅沢にも食べ残すえさを(捨てちゃもったいないから)
野良猫におすそ分けするときに
アルミホイルに載せて
木陰に置いていた
秘密の場所だったのだ。

そういえば数日前に
カラスがゴミ箱を荒らして、
大暴れしていた時、
うっかり食べ残しの餌を植え込みに置いた瞬間に
そのカラスがが咥えていったっけ。

アレを目撃した近所のカラス嫌いのおばさんが
人のいい、実直なこのアパートの大家さんに
「植え込みが不衛生だからカラスがくんのよ!」
とかなんとかいって
壊させたんじゃないだろうか・・・・・

私の心にむやみな心配が去来した。

事情はどうあれ
ここに住んで10年以上
私を緑で癒してくれたり
日々忠太郎(猫)を物陰から隠してくれたり
多分ヨソの猫たちと忠太郎の待ち合わせ場所になってくれていたであろう、
私の背丈くらいのほそっこい木が2本とも、
OX建設のトラックの荷台に、
横たわって乗せられて去って行った姿は
ドナドナのようでもあり、
その光景に、喪失とは、かくも瞬時に訪れるもの也。
と思い知らされた。

今朝方、忠太郎は
家の中の玄関の前から動かなかった。
とてもファンタジックに考えると
もしかしたら
木の魂が忠太郎にお別れを言いに来ていたのかもしれない。

生き物同士のそういう交流って、ありそうな気がする。


この3ヶ月間でこの町から
2件の商店も店じまいをしてしまった。

ジーンズ屋さんとパン屋さん。

毎日見かけていた景色が急に無くなるのは、寂しい。


夕方、忠太郎が階段からおりて
不思議そうに、新しいコンクリートの上を、案の定横切った。

しかしすでに固まり始めたコンクリートに、
忠太郎の足跡はつかなかった。
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by chutaro116 | 2004-11-18 01:54

猫や芝居や日常


by chutaro116
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